【さらっと解説】精製方法と味わいの関係

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珈琲

コーヒーの実の外皮や果肉を除去し、コーヒーの実の種子(コーヒービーンズ)を取り出す作業をコーヒーの精製といいます。

精製方式は主に3つの方式があります。

  1. 乾燥方式(別名:ナチュラル、非水洗式、アン・ウォッシュト)
  2. 水洗式ウォッシュト
  3. 半水洗式セミ・ウォッシュト

それぞれの方式の過程、特徴について記事にします。

1.精製とは

コーヒーの精製とは、簡単に言えばコーヒーの実の外皮や果肉を除去し、コーヒーの実の種子(コーヒービーンズ)を取り出す作業のことです。

生産者にとっては、それぞれの生産地に適した方法で生産コストを掛けず行うことが重要になりますが、消費者にとっては方式によって風味も異なるため、どのような生産方式か気になるところです。

下図<コーヒーチェリーの構造図>の種子が、馴染みのあるコーヒー豆の部分になります。

引用元:UCC上島珈琲株式会社 HP 「コーヒーの植物学」掲載の画像 https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/plant.html
(コーヒーチェリー)

2.乾燥方式(別名:ナチュラル、非水洗式、アン・ウォッシュト)

(乾燥方式の精製過程例)

乾燥方式、特に自然乾燥方式は作業工程が単純であり設備投資も少なくてすみます

しかし、天候によって乾燥具合が変わる、不純物が多く混じる、見た目も水洗式と比べると見劣りするといった欠点もあるため、水量が確保できないといった特殊な事情がなければ水洗式に切り替わっているようです。

乾燥方式の特徴
  • コスト:比較的低コストで行える
  • 採 用:減少傾向(水洗方式に切り替わっている)
  • 不純物:不純物や欠点豆が多く混じる
  • 見た目:水洗式に比べると見劣りする
  • 水分率:水分含有率11~12%(順調に乾燥が進んだ場合)

3.水洗式(ウォッシュト)

水洗方式は、各過程で不純物を取り除くため生豆になった段階での精製度は高く、見た目もきれいです

しかし、作業工程が多いので生産コストも高くなり、コーヒー豆の価格もやはり高くなります

また、工程が多いということは、その分生産管理などが大変となり、作業バラツキがコーヒー豆の品質へ影響を与えます。例えば、発酵槽のメンテナンスを怠ると発酵臭が豆につく。この発酵臭は独特で良いものではありません。

水洗方式の特徴
  • コスト:生産コストは高い
  • 採 用:増加傾向
  • 不純物:少ない
  • 見た目:水洗式と比べるとキレイである
  • 水分率:水分含有率12~13%
(水洗方式の精製過程例)

4.半水洗式(セミ・ウォッシュト)

半水洗式は、乾燥方式と水洗方式の中間です。簡単に言えば、発酵槽に入れない水洗方式です。

そうすることで発酵槽の影響を受けず、乾燥方式より品質が安定するといったメリットがあります。

(半水洗方式の精製過程例)

5.乾燥方式と水洗方式の違い

5.1 見た目

水洗方式の方がグリーンが濃い。一般的に水分含有率が多い方が、緑や青系の色が濃くなる

水洗方式は銀皮(以下:シルバースキン)が取れているため、表面に独特のつやがある。乾燥方式は脱穀後もシルバースキンが残っていることが多い。

しかし、水洗方式の場合深煎りまで焙煎を進めない限り、センターカットのシルバースキンが残ります。対して、乾燥方式は焙煎過程で焼けてなくなります。

シルバースキンの残留が多すぎると渋みの原因になる。

5.2 欠点豆の混入

欠点豆は、水洗方式の方が少ない。

5.3 焙煎法の違い

乾燥方式の方が、水分が芯まで抜けているため焙煎しやすいと感じることもあるようです。

5.4 味わい

一般的には水洗方式の方が、コーヒー豆本来の味わいが際立ちます

6.まとめ

コーヒー豆を購入するとき、商品名に「ウォッシュト」と記載されていることがあります。

そんなとき、この記事を思い出して「精製法の違いなんだな」と思ってもらえれば、幸いです。

 

(おすすめ文献)

・「カフェ・バッハ」を開業者、田口 護さんの著書。「システム珈琲学」も記載されています。

・100ページ以上のコーヒー生産地の情報あり。写真もキレイ。値段が少し高めですが、その価値あり。

 

お読みいただき、ありがとうございました!

 

参考文献:田口 護「田口護の珈琲大全」NHK出版、2003年11月1日第1版発行

参考文献:ジェームズ・ホフマン「ビジュアル スペシャルティコーヒー大事典」日経ナショナル ジオクラフィック社、2015年8月24日第1版1刷

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