こんにちはヒロです。
コーヒーは健康に悪い聞いたことがあるかもしれませんが、最近では健康に良い飲み物と言われています。
コーヒーが健康に与える影響について調査しましたので、是非最後までお読みください。
- コーヒーの健康に与える良い影響について知りたい人
- コーヒーに含まれるポリフェノールの効果について知りたい人
- コーヒーと血圧の関係を知りたい人
(参考)「本当にコーヒーは健康に悪いのか」についても調査しています。もし興味があればこちらもご覧ください。
1.はじめに
以下は少し古い文献ですが、コーヒー豆の一般的な成分となります。
この表からも分かるとおりコーヒーには抗酸化物質である全クロロゲン酸(ポリフェノールの一種)やカフェインが含まれており、これらの成分は健康に良い影響を与える可能性があります。
今回は、コーヒーが健康に与える良い影響について紹介していきます。
成分 | アラビカ種 | ロブスタ種 | ||
生豆 | 焙煎豆 | 生豆 | 焙煎豆 | |
全多糖類 | 50.0~55.0 | 24.0~39.0 | 37.0~47.0 | |
少糖類 | 6.0~8.0 | 0~3.5 | 5.0~7.0 | 0~3.5 |
脂質 | 12.0~18.0 | 14.5~20.0 | 9.0~13.0 | 11.1~16.0 |
遊離アミノ酸 | 2.0 | 0 | 2 | 0 |
タンパク質 | 11.0~13.0 | 13.0~15.0 | 11.0~13.0 | 13.0~15.0 |
全クロロゲン酸 | 5.5~8.0 | 1.2~2.3 | 7.0~10.0 | 3.9~4.6 |
カフェイン | 0.9~1.2 | 0~1.0 | 1.6~2.4 | 0~2.0 |
トリゴネリン | 1.0~1.2 | 0.5~1.0 | 0.6~0.75 | 0.3~0.6 |
脂肪族酸 | 1.5~2.0 | 1.0~1.5 | 1.5~2.0 | 1.0~1.5 |
無機成分 | 3.0~4.2 | 3.5~4.5 | 4.0~4.5 | 4.6~5.6 |
腐植酸 | 16.0~17.0 | 16.0~17.0 |
(引用元:中林敏郎ほか、コーヒー焙煎の化学と技術(1995)p.52)
以下の記事は、アラビカ種、ロブスタ種それぞれの特徴を記事にしています。
是非参考にしてください。
2.コーヒーが健康にいい理由1:抗酸化物質が含まれている
まずは、抗酸化物質について説明していきます。
2.1 抗酸化物質とは
抗酸化物質とは、私たちの体内で発生する活性酸素を抑制する物質です。
コーヒーに含まれる抗酸化物質は、全クロロゲン酸(以下、ポリフェノール)となります。
活性酸素は、細胞のDNAやタンパク質などに反応し、酸化や炎症を引き起こすことで、老化や慢性疾患のリスクを高めると言われています。
酸化は、体がサビるというイメージです。
(参考)ポリフェノールと言っても約7000種、8000種と多く、厳密にいうとワインとコーヒーに含まれているポリフェノールは種類が違います。赤ワインは「アントシアニン」です。
2.2 コーヒーのポリフェノール(抗酸化物質)の含有量
コーヒーに含まれる全クロロゲン酸の含有量率は「1.はじめに」に記載しています。
含有量はワインと同じぐらいの量ですので、非常に多く含まれていることが分かります。
- 赤ワイン(120ml)→ 100ml当たり230mg → 1杯当たり276mg
- コーヒー(150ml)→ 100ml当たり200mg → 1杯当たり300mg
2.3 コーヒーのポリフェノール(抗酸化物質)の効果
抗酸化作用により活性酸素の発生と働きを抑制
活性酸素とは、ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素のことで、活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子も酸化してしまいます。
※活性酸素が関与する疾患例:動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、胃潰瘍など
コーヒーに含まれるポリフェノールは、活性酸素の発生と働き抑制する抗酸化作用により、活性酸素による酸化を防いでくれます。
糖尿病の予防に効果がある
糖尿病は血液中の糖が多い高血糖の状態が続き、知らぬ間に全身の血管が傷ついていく病気です。
アステラス製薬が2021年10月に作成した資料によると、2021年時点で約950万人の糖尿病患者(成人5人に1人)がいるようです。
この糖尿病について、近年「コーヒーは2型糖尿病のリスクを下げる強力な因子となる」ことが報告されています。
2型糖尿病は原因不明で突然発症する「1型糖尿病」と違い、遺伝・環境要因が原因となります。
そこで、遺伝・環境要因別に2型糖尿病のリスクを上げるか下げるかを研究したところ、コーヒーは運動と同じレベルで2型糖尿病のリスクを下げることが報告されています。
- 肥満(BMI) → 相対リスク 6.88
- 過体重(BMI)→ 相対リスク2.93
- 喫煙(現在) → 相対リスク 1.39
- 全粒穀物 → 相対リスク0.74
- コーヒー → 相対リスク 0.70
- 運動 → 相対リスク 0.65
相対リスクなので、1.0より大きければリスクを上げ、小さければリスクを下げる要因ということです。
リスクを下げるメカニズムは研究中ですが、以下の可能性があるようです。
- 糖を取り込む際に働くインスリンの効きをよくする
- 小腸において糖の過剰な取り込みを阻害し、血糖値の上昇を抑える
- 高血糖時に起こる体内の炎症を抑える
糖尿病の予防に何故効果があるのかは研究中のようですが、ポリフェノールによる効果だと言われています。
運動と同じレベルで糖尿病リスクを下げることは驚きですね。
動脈硬化のリスクを下げる可能性がある
コーヒーに含まれるポリフェノールという成分が、動脈硬化の予防や改善に効果があるという研究があります。
動脈硬化を簡単に説明すると、血管の壁が厚くなり血管が硬く狭くなる病気です。
動脈硬化により、血液の流れが悪くなり、心臓や脳に十分な酸素や栄養が届かなくなり心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。高血圧や高コレステロール、糖尿病などが原因で起こることが多いようです。
では、なぜコーヒーのポリフェノールが動脈硬化の予防に効果的なのでしょうか?
その理由は主に次に2点であるようです。
- ポリフェノールは、血管の内側にある内皮細胞の機能を改善し、血管を柔らかく保つ効果があります。
内皮細胞の機能が低下を予防することで、動脈硬化の発症や進行を抑える可能性があります。 - クロロゲン酸は体内でフェルラ酸に変化します。フェルラ酸は、余分なコレステロールを排出する善玉コレステロール(HDLコレステロール)の働きを促進する効果があります。
コーヒーのフェルラ酸は、この善玉コレステロールの機能を高めることで、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の蓄積を防ぐ可能性があります。
以上のように、コーヒーに含まれるポリフェノールやフェルラ酸が、動脈硬化の予防や改善に効果がある研究がありますが、過剰摂取は副作用の可能性もあるようです。
例えば、鉄分やカルシウムなどの吸収を妨げる場合があるようです。
ポリフェノールが体に良いからと言って、やみくもに摂取するのではなく、個人の体質や健康状態に合わせて適度な量を調節することも大切です。
内臓脂肪の低減をサポートする
一般的に知られている内容ですが、内臓脂肪とは、内臓の周りに蓄積される脂肪のことです。
内臓脂肪は、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めると言われております。
この、内臓脂肪を低減させる効果があることが、花王のポリフェノール研究によって明らかにされています。
コーヒークロロゲン酸は肝臓に運ばれた脂質や糖類を燃焼させるミトコンドリアの働きを活発にして、脂質の取り込みをスムーズにする。さらに余分な糖質(グルコースなど)の脂肪への再合成を抑制するという。
つまりコーヒークロロゲン酸は、人が本来もっている脂質代謝能力を高め、内臓脂肪を低減させる働きがあるのだ。
花王の顔.【コーヒークロロゲン酸と茶カテキン】内臓脂肪を減らす3つのステップ .(2021年11月08日)
「https://www.kao.com/jp/kaonokao/media/n20211126_1/」
引用元では、メカニズムを図でも説明してくれているので、より理解が深まると思います。
脳の老化を防ぐ可能性がある
コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)には抗酸化作用があるため、活性酸素の悪影響を緩和し炎症などによる脳細胞のダメージを軽減することが期待されています。
マウスを用いた研究では効果が確認されたようです。
これがヒトでも同じような効果が確認されるとよいですね。
3.コーヒーが健康にいい理由2:カフェインが含まれている
カフェインは過剰に摂取すると健康に悪影響ももたらす可能性がありますが、適量を摂取すれば以下のようなメリットがあります。
- 眠気覚まし効果(覚醒作用)
- 作業効率、集中力の向上
- 利尿効果
- 基礎代謝の促進
以下の記事で、カフェインレのメリットやデメリット、適量の目安について解説しています。
是非参考にしてください。
4.ポリフェノールのみ摂取したい
カフェインを取ることに抵抗はあるけど、コーヒーのポリフェノールは摂取したい人はカフェインレスコーヒー、デカフェコーヒーがオススメです。
以下の記事で、安全性を重視したカフェインレスコーヒーをランキングにしたので、是非参考にしてください。
5.まとめ
コーヒーは健康に良いということは、多くの研究で示されています。
特に、コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)やカフェインには、抗酸化作用などがあるので、健康に良い面があります。
しかし、飲みすぎると不眠や副腎疲労などのリスクも高まります。
何事も程々にするのが大事です。私のオススメは、1日に3~4杯程度です。
コーヒーは美味しくて健康に良い飲み物ですが、飲み方に注意しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
***参考文献・サイト***
参考文献
・ネスレなぜなに?「コーヒーと健康」専門家インタビュー記事シリーズ <第1回>.ポリフェノールと動脈硬化 (2011.10.14)
「https://www.nestle.co.jp/sites/g/files/pydnoa331/files/asset-library/documents/stories/individuals-families/interview1.pdf」
・コーヒー焙煎の化学と技術.中林敏郎他. 弘学出版.1995年. (成分)
・コーヒーの成分と発がん抑制作用.木村 俊博、伏脇 裕一.2019年58巻5号p.310-314
「https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/58/5/58_310/_pdf/-char/ja」
参考サイト
・ネスレアミューズ.ポリフェノールはどうやってカラダに取り入れるの?~目安とギャップ~(2023.5.7参考)
「https://nestle.jp/coffee-polyphenol/howtointroduce/」
・UCC上島珈琲株式会社.コーヒーコラム vol.01.ご存じですか?ポリフェノールリズム(2023.5.7参考)
「https://www.ucc.co.jp/enjoy/polyphenol/column/vol01/#Poly-Modal01-Cont」
・オムロン ヘルスケア.活性酸素を減らす生活術(2023.5.7参考)「https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/2.html」
・日本経済新聞.コーヒーで糖尿病のリスク下がる 運動に匹敵する効果.(2022年2月24日)
「https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXZQOUC047XW0U2A200C2000000/」
・日本経済新聞.コーヒーポリフェノール、血管に好影響 内皮機能改善.(2022年2月28日)
「https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC04AA30U2A200C2000000/」
・花王の顔.【コーヒークロロゲン酸と茶カテキン】内臓脂肪を減らす3つのステップ .(2021年11月08日)
「https://www.kao.com/jp/kaonokao/media/n20211126_1/」
・全日本コーヒー協会.クロロゲン酸が脳の老化を防ぐ?(2020.10.12)
「https://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/98health1/」
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